【MBD事例】自動車開発向け電気プラントモデル作成・基礎

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電気領域の物理プラントモデル

これまで力学領域、熱領域、流体領域のMBD基礎について説明してきましたが、今回が基礎編の最終回となります。

熱領域と流体領域は非常に考え方が似ているということを申し上げましたが、電気領域も同じ考え方が適用できます。熱領域は温度差で熱量が変化、流体領域は圧力差で体積流量が変化しましたが、電気領域は電圧差で電流が変化します。そして、熱量、体積流量、電流が変化すれば温度、圧力、電圧がまた変化するという相互作用を持っています。

以下で、レジスタンスとキャパシタをモデリングしていきます。

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レジスタンス

レジスタンスとは抵抗のことです。オームの法則から、抵抗を流れる電流は抵抗に掛かっている電圧(電位)差と抵抗値との比で決まります。$$I=\frac{(V_1-V_2)}{R}$$この式が熱領域での$$Q=G(T_1-T_2)$$流体領域での$$Q=\alpha A\sqrt{\frac{2(p_1-p_2)}{\rho}}$$の式に対応します。

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キャパシタ

キャパシタとは電気を溜める蓄電機能を持った部品のことを指します。MBDではレジスタンスが電圧から電流を計算するのに対して、キャパシタは電流を入力にして電圧を出力するモデル構成となります。$$\frac{dV}{dt}=\frac{I}{C}$$ここで、\(C[\mathrm F]\)は静電容量と呼ばれ、キャパシタがどのくらい電荷を蓄えることができるかを表すパラメータです。両辺を積分すると、$$V=\int \frac{I}{C}dt+V_{ini}$$となります。

この式の形も熱領域の$$T=\int \frac{Q}{C}dt+T_{ini}$$流体領域の$$p=\frac{K}{V}\int Qdt+p_{ini}$$と同じですよね。

このようにMBDでは領域が複数あり、理解することが難しいと思われるかもしれませんが、物理量が変わるだけで共通の考え方が適用できるのです。このような考え方ができるようになれば、任意の領域でのMBDができるようになります

 流体領域熱領域電気領域
圧力/温度/電圧$$p=\frac{K}{V}\int Qdt+p_{ini}$$$$T=\int \frac{Q}{C}dt+T_{ini}$$$$V=\int \frac{I}{C}dt+V_{ini}$$
体積流量/移動熱量/電流$$Q=\alpha A\sqrt{\frac{2(p_1-p_2)}{\rho}}$$$$Q=G(T_1-T_2)$$$$I=\frac{1}{R}(V_1-V_2)$$
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RC回路シミュレーション

最後は、これまで解説してきたレジスタンスとキャパシタを直列に接続したRC回路をモデル化し、シミュレーションしてみましょう。

\(R=0.5[\mathrm \Omega]\)、\(C=1[\mathrm F]\)として、シミュレーションしてみましょう。

シミュレーション直後は抵抗に掛かる電位差が大きいので、流れる電流も大きくなってします。電流が大きくなればキャパシタモデルの被積分関数の値が大きくなるので、電圧上昇率が高いです。一方、シミュレーション終盤になってくるとキャパシタ電圧が高くなり、抵抗に掛かる電位差が小さくなってくるので、流れる電流も小さくなり最終的には0に収束していきます。

このように電圧をもらって電流を返すレジスタンスモデルと電流をもらって電圧を返すキャパシタモデルの相互作用が上手くモデル化できています。

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最後に

これまでMBD基礎編として、力学領域、熱領域、流体領域、電気領域の4つの記事を書きました。これらすべての領域に共通していることは、容積要素(速度、角速度、温度、圧力、電圧)(アクロス変数)と抵抗要素(力、トルク、熱量、体積流量、電流)(スルー変数)を交互に組み合わせるだけで簡単なMBDができるということです。

もちろんそれぞれの物理領域で支配している基本法則は異なります。しかし、この容積要素と抵抗要素を交互に並べていくという考え方はすべての領域で共通しています。

• MBDでは容積要素と抵抗要素を組み合わせるだけで、すべての物理領域をカバーできる

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