自動車開発プロセスの流れを現役エンジニアが解説!実は開発には約5年の歳月が掛かる!

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自動車工学
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自動車開発ってどんな流れで進んでいくの?

実は約5年前から新商品の企画が始まっている

皆さん、自動車の開発ってどれくらいの期間を掛けて、どのように進んでいくと思いますか?

実は、車種によってもちろん前後はしますが、だいたい5年を掛けて開発されるんです。今年、販売されている新車が5年前から企画が始まっていると思うとすごくないですか?

自分の今乗っているクルマもより愛着が深まりますし、大事に乗ろうと思えてきますよね。

今回は、自動車開発の流れを各工程別にご紹介していきます。

現役の自動車開発エンジニアが解説

私は就職してからずっと自動車業界一筋の人間です。途中で一度転職もしており、完成車メーカーと部品メーカーの両方を経験しています。

現在は、電気自動車や水素自動車などの電動化技術の開発に主に従事しています。加えて、機械学習・ディープラーニングなどのデータサイエンスの先行研究もしています。

今回は現役の自動車開発エンジニアである私が以下で、開発の流れの詳細を解説します。

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自動車開発の各工程

コンセプト企画

自動車開発の最初のステップは、開発するクルマのコンセプトを企画することです。

コンセプトとは、大きさ(セグメント)はどれくらいにするか、ターゲット層(年齢、子育て世代など)はどこを狙うか、どこの地域(日本、ヨーロッパ、北米など)で売るか、燃費性能や最高速度などの目標値をどこに設定するかという大まかなコンセプトを決めていきます。

自動車開発では、大きさのことをセグメントと呼びます。具体的には、BセグメントやCセグメントのように呼ばれます。

Bセグメントはいわゆるコンパクトカーのサイズのことを指します。アクア(トヨタ)、フィット(ホンダ)、ノート(日産)、MAZDA2(マツダ)のサイズですね。

Cセグメントは一回り大きくなります。カローラ(トヨタ)、シビック(ホンダ)、インプレッサ(SUBARU)、ゴルフ(フォルクスワーゲン)などがそれに該当します。

以上のように、大きさ・ターゲット・地域を設定するのがコンセプト企画の目的です。このフェーズが自動車開発において最も重要と言っても過言ではありません

車両システム設計

コンセプトが決まった後は、車両システム設計に進んでいきます。

車両システム設計とは、車両全体のシステム構成を作り込んでいくフェーズです。コンセプト企画で設定した燃費目標や最高速目標を達成するためには、どんなシステムが必要かを検討していきます。

例えば、コンセプト企画の結果、開発する自動車の燃費性能目標を35km/Lに設定されたとします。車両システム設計では、その目標がエンジンだけで達成できるのか、それともハイブリッドにしないと達成できないのかということをシステム目線で見極めていきます

ハイブリッドであれば目標達成できるとすると、次はバッテリの容量やモータのパワーを検討していきます。これくらいの電気容量〇〇Ahのバッテリに〇〇N・mのトルク特性のモータを搭載すれば、燃費目標の35km/Lが達成できるなという目処付けをしていきます。

部品設計

次は、システム設計で決めたざっくりとした目標値を具体的に部品設計にブレイクダウンしていきます。

車両システム設計で決めたバッテリやモータの物理特性が出せるように、実際に部品の設計を行っていきます。

部品設計では、バッテリ容量やモータトルク特性のように燃費性能に関わる機能開発をしているわけではありません。耐熱設計、耐震設計、熱設計、衝突設計など様々な観点から要求される性能を満たすよに部品設計をするのです。

部品設計では、シミュレーションを活用した開発がメインになります。自動車開発においてシミュレーションは当たり前になっており、「モデルベース開発」と呼ばれています。

この部品設計のゴールは、次に控えている試作評価のための設計図面を書くことです。

試作評価

ここからは設計図面に基づいて、実際に試作機を作っていきます

試作機にも段階があり、まずはユニット単位の試作から始まります。具体的にはエンジン試作やハイブリッドシステム試作などです。その後、各試作機を統合して1台のクルマにして評価していきます。

試作評価の目的は、部品設計で設定した狙いの性能が出ているか、システム設計で設定した燃費性能や加速性能の目標値がクリアできているか確認することです。

ここでクリアできていれば、いよいよ生産準備に移っていきますが、目標値未達の場合は再びシステム設計や部品設計の見直しに入ります。システム設計〜試作評価までのループを何回か回すことによって、商品を作り込んでいきます

生産

試作機評価で各性能の目標値が達成していることが確認できれば開発完了となります。

いよいよここからは生産準備に入っていきます。具体的な業務としては、生産ラインの構築をしたり、ラインで使用する金型を作ったりします

もちろん自動車を生産する工場は1つだけではありません。国内にも複数ありますし、海外にも生産工場はあります。したがって、生産準備は世界の工場で並行して進められます

言語も時差も文化もまったく異なる複数の地域で同じ品質を確保しながら自動車を生産していくということは至難の業です。これが自動車産業に新規参入することが極めて困難だと言われている理由です。

数万点の部品で構成されている自動車を世界中の工場で同じ品質で大量生産する技術は既存の自動車メーカーだけが獲得している非常に重要なノウハウなんです。

したがって、CASEという大変革によって自動車業界が危ういというニュースが散見されますが、私はそう簡単に新規参入者に負けることはないと思っています。IT巨人であるAppleやGoogleなども自動車のような非常に複雑な工業製品を高品質で大量生産できる技術は持っていないのです。

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今回のまとめ

今回の記事を以下に箇条書きにしてまとめます。

  • 販売される新車の開発は約5年前からスタートしている
  • 自動車開発の流れは、①コンセプト企画→②システム設計→③部品設計→④試作評価→⑤生産という順序で進んでいく
自動車工学
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