自動車工場のきつい工程ランキングと期間工として実際にライン作業した感想!

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自動車工学
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自動車工場でのライン作業(期間工)は肉体的にも精神的にもきつい

自動車工場でのライン作業は、想像を絶するほどきついです・・・。

一般的に、自動車工場でのライン作業は非常に高収入が得られる仕事ということもあり、一定の人気があります。高収入だけでなく、寮や食堂なども完備されていて支出を抑えることができます。

しかし、実際にライン作業をやってみると、もう肉体的にも精神的にもきつくて体がボロボロになってしまいました。私の場合は、2ヶ月目くらいから右のお尻あたりが痺れるようになってきて、ヘルニアになってしまいました。

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自動車メーカーに転職後3ヶ月間だけ工場作業して8キロ痩せた

私は、自動車部品メーカーから完成車メーカーに転職した経歴があります。

完成車メーカーに転職したとき、最初に工場実習があり、そのときに自動車工場で3ヶ月間だけライン作業をしました。たった3ヶ月間のライン作業で体重は8キロも減ってしまいました・・・。

今回は、そのときに実際に体感した自動車工場のきつさを具体的にご紹介していきます

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自動車ができるまでの順番

まずは、自動車がどのような順番で作られていくかを説明します。

  1. プレス工程
  2. 溶接工程
  3. 塗装工程
  4. 車両組み立て工程(エンジン組み立てと車体組み立てに分かれる)
  5. 検査工程

プレス工程:鉄板をボディやドアの形にプレスする

最初の工程は、プレス工程です。プレス工程では、鉄板のシートを自動車のボディやドアの形に切り抜いていきます。

このプレス工程は、主にプレス機が自動で鉄板をプレスし続けるので、人による作業はあまりありません。人がやる作業としては、プレス後の鉄板に傷が入っていないかを検査したり、磨いたりすることです。

溶接工程:プレス工程で切り抜いた鉄板を溶接してつなぎ合わせる

次の工程は、溶接工程です。プレスされた鉄板を溶接してつなぎ合わせることにより、自動車の骨格にしていきます。

溶接工程もプレス工程と同様に、メインは機械が行います。溶接工程では、産業用ロボットが複雑な動きをしながら、たくさんの打点をスポット溶接していきます。

したがって、この工程にライン作業者が配属されることはほとんどないと思われます。

塗装工程:溶接後の車体骨格に塗装する

溶接が終われば、次は塗装工程です。塗装工程は以下のように、何層にも重ねて塗装を行います。

  1. 電着塗装
  2. シーラー塗装
  3. 中塗り
  4. ベースカラー塗装
  5. クリア塗装

こちらも塗装自体は機械が自動で行うので、人がする作業は塗装後の検査です。

塗装工程では、ほんのわずかなホコリの混入も許されないので、作業者は全員白いクリーンスーツを着て作業しなければなりません。

また、化学塗料の薬品ののような臭いが常に充満しているので、気分が悪くなる人もいます。

車両組み立て工程:塗装後の骨格に部品を組み付けていく

塗装が終われば、いよいよ車両組み立て工程です。この工程からは人による作業が一気に増えるため、ライン作業者のほとんどがこの車両組み立て工程に配属されます。

後述しますが、この工程が最もきつい工程です。私もこの車両組み立て工程でした・・・。

この車両組み立て工程は、エンジン組み立て工程と車体組み立て工程に分かれます。エンジンと車体は最初は別々のラインで組み立てられ、途中で完成したエンジンが車体に組み付けられてラインが1本になります。

特にきついのが、車体組み立て工程の方ですね。

検査工程:完成した車の最終検査を行って不良がないかチェック

最後は、検査工程です。すべての部品が組み上がった車の出荷前に最終チェックを行います。

検査内容としては、エンジンを回して異常がないかや水を掛けて水漏れがないかや悪路を走行して異音などが出ていないかを確認します。

この検査工程が終われば、車はお客様の元に出荷されていくので、仮に検査に見落としたがあった場合はめちゃくちゃに怒られます。

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自動車ライン作業のきつい工程ランキング

ここからは、いよいよライン作業におけるきつい工程ランキングを紹介します。

  1. 車体組み立て工程
  2. エンジン組み立て工程
  3. 塗装工程
  4. プレス工程
  5. 検査工程

やはり、群を抜いてきついのが、車体組み立て工程です。私は、車体組み立て工程でトランクルーム内のスペアタイヤや工具キットなどを組み付けていましたが、相当きつかったです。

その次は、エンジン組み立て工程ですね。車体組み立てとエンジン組み立てのきつさの最大の違いは、姿勢にあります。

エンジン組み立て工程は、基本直立した姿勢で作業ができます。エンジンはそこまで大きな部品ではないので。

しかし、車体組み立てではそうはいきません。しゃがみ姿勢、前屈み姿勢、上向き姿勢など体に負担の掛かる姿勢で長時間動き続けるので、その分体力の消耗も激しくなります。

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私が体験した期間工が肉体的・精神的にきつい理由

  • 1週間ごとに昼勤と夜勤が入れ替わり、体内時計が狂う
  • 1工程当たりの仕事量が多くて、ラインスピードについていけない
  • しゃがみ姿勢・前屈み姿勢の連続で腰痛になってしまった
  • 力を入れて押し込む作業が多いため、指の関節を痛める
  • 作業ミスをすると班長に怒られて精神的にしんどくなる
  • 職場の人間関係が悪くて、居心地がよくない

1週間ごとに昼勤と夜勤が入れ替わり、体内時計が狂う

これはかなりきつかったです・・・。自動車工場のライン作業は、一般的に1週間おきに昼勤と夜勤が入れ替わります。

昼勤から夜勤はまだ切り替えられるのですが、夜勤から昼勤がきついのです。夜勤の週は土曜日の朝に家に帰ることになりますが、次の週が昼勤なので月曜日の朝に出社しなくてはいけません。

つまり、夜勤から昼勤のときは1.5日くらいしか休めないのです。また、1週間夜勤を続けていると、体内時計が狂ってしまい、ひどい頭痛に悩まされました。

1工程当たりの仕事量が多くて、ラインスピードについていけない

ライン作業に配属される前までは、1つの作業だけを繰り返し行うものだと思っていましたが、これは大間違いです!

自動車工場のライン作業では、1つの工程でたくさんの部品を高速で付けていかなければならないので、その手順を覚えるのが大変です。

しかも、同じラインに右ハンドルと左ハンドルが混ざって流れてくるので、ハンドルの位置によっても作業内容がまったく異なります。

しゃがみ姿勢・前屈み姿勢の連続で腰痛になってしまった

車体組み立て工程では、非常に無理な姿勢での作業を強いられるため、すぐに腰痛になってしまいました。

私の担当工程では、しゃがみ姿勢と前屈み姿勢がずっと続いたため、膝の皮膚が摩擦でただれてしまったり、ひどい腰痛になったりしてしまいました。

私の工程ではありませんが、自動車のアンダーカバーを組み付ける作業の方は、ずっと上向きでの作業をされていました。このような作業が慢性化すると、首のヘルニアにもなりやすいのでかなりきついです。

また、ドアを取り付ける工程も非常に無理な体勢での作業になります。お尻を半分シートにねじ込むような姿勢を1日に何度も行うので、かなり腰に負担が掛かってしまいます。

力を入れて押し込む作業が多いため、指の関節を痛める

組み立て工程では、非常に指を酷使します。インパクトレンチで締め付けられない部品がたくさんあるため、そのときは親指の腹を使って押し込むことが必要になります。

この作業を毎日何時間も続けていると、指の関節を痛めて指が曲がらなくなってきます。これを「バネ指」と呼んだりしますが、一度「バネ指」になってしまうとなかなか治りませんし、生活の質が低下してしまいます。

作業ミスをすると班長に怒られて精神的にしんどくなる

ライン作業中にミスをしてしまうことはよくあります。最もよくあるミスは、ボルトの焼き付きです。ボルトは穴に対して真っ直ぐに締めないと、途中で摩擦で焼き付いて最後まで入っていきません。

このようなミスをすると自分ではどうすることもできないので、作業場に吊られている紐を引っ張って班長(すべての工程の作業手順を理解しているリーダー)を呼ばなくてはなりません。

これを繰り返すと班長の機嫌がだんだん悪くなり、怒られるようになります・・・。怒られるとボルト締めがだんだん怖くなり、またミスを繰り返すという悪循環が生まれます

これが毎日続くとしだいに精神的に辛くなってきて、班長を呼ぶことをためらってしまうこともありました。

職場の人間関係が悪くて、居心地がよくない

自動車工場の職場は、決して人間関係がいいとは言えません。頻繁に財布の盗難事件などもあり、治安が非常に悪かったです。

私が配属された職場では、新人に対して無視するような雰囲気があり、非常に居心地が悪かったです。殺伐とした雰囲気の職場も多かったですね。

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期間工は給料は高いが長くは続けられない仕事

期間工は給料も高く魅力的に映る職業かもしれませんが、長くは続けることが難しいです。

1週間ごとに昼と夜が入れ替わり、指や腰を酷使する仕事が長時間連続します。また、ミスを犯すと怒られるという精神的なストレスも非常に高く、すぐに体を壊してしまうと感じました。

期間工をやるなら、急な出費が必要なときに短期間だけやるというのが最も最適な方法だと感じました。

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