エンジンオイルの種類と選び方:ミネラル、全合成、高マイレージオイルの違いと車種に合わせた選び方

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エンジンオイルの種類について知ろう

ミネラルオイル

ミネラルオイルとは、石油を原料として精製された石油系のエンジンオイルのことです。比較的低価格であり、古い車両や短距離走行車両に適しているとされています。

ただし、全合成油や半合成油と比べて粘度が安定せず、高温・高負荷下での摩擦が大きいため、性能面での限界があります。

半合成オイル

半合成オイルとは、ミネラルオイルと全合成オイルの中間に位置するエンジンオイルのことです。石油を原料として一部合成油を混ぜることで、ミネラルオイルよりも性能を向上させることができます。

全合成油と比べて価格が低く、ミネラル油と比べて性能が向上するため、幅広い車種や用途に適したオイルとされています。しかし、全合成油に比べて高温高負荷時の耐久性にはやや劣ります。

全合成オイル

全合成オイルとは、石油を原料としていない完全合成油をベースに作られたエンジンオイルのことです。合成油は、高温高負荷下でも粘度変化が少なく、劣化も抑えられるため、高性能なエンジンに適しています。

また、摩擦係数も低く、燃費の向上やエンジンの寿命延長にもつながります。ただし、全合成油は高価であり、古い車両や低負荷な運転環境の車両には向いていないとされています。

高マイレージオイル

高マイレージオイルとは、高走行距離の車両に適したエンジンオイルのことです。高マイレージオイルには、オイルシールやパッキン材に有効な添加剤が配合されており、オイル漏れを防止する効果があります。

また、エンジン内部の金属部品に対しても、耐摩耗性能やクリーニング性能が向上するため、エンジンの劣化を防止し、長期間の使用に適しています。ただし、高マイレージオイルは全合成油や半合成油と比べて価格が高い場合があります。

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エンジンオイルの選び方

車種や走行距離に合わせた選び方

車種や走行距離に合わせたエンジンオイルの選び方は、以下のようなポイントがあります。

車種やメーカーが推奨するオイルの粘度を確認する

各車メーカーは、適切なエンジンオイルの粘度を推奨しています。取扱説明書やメーカーのウェブサイトなどで確認しましょう。

走行距離に応じたオイルの種類を選ぶ

走行距離が10万キロメートル以上の車両には、高マイレージオイルが適しています。また、走行距離が少ない車両には全合成油や半合成油が適しています。

運転環境に合わせたオイルの種類を選ぶ

運転環境によっては、燃費向上やエンジンの保護を目的に、高性能な全合成油が適している場合もあります。逆に、長距離運転が多い場合は、高温・高負荷下での性能を重視した半合成油が適している場合もあります。

車両メーカーが推奨する

オイル以外の使用については、互換性を確認しましょう。特に、最新のエンジン技術を採用した車両には、特定のオイルが必要な場合があります。

オイルの交換時期を守る

エンジンオイルは、時間とともに劣化して性能が低下します。オイル交換時期は、取扱説明書やメーカーの推奨を確認し、定期的に交換しましょう。

エンジンオイルの規格について

エンジンオイルには、各国で定められた規格があります。代表的なものに以下のようなものがあります。

API規格

アメリカ石油協会 (API) が定めたエンジンオイルの規格で、S(ガソリン車用)とC(ディーゼル車用)の2つがあります。規格は、SからS、CからCの順にアルファベットが進み、最新の規格はSとCともに「SN」となります。

JASO規格

日本オートマチック車協会 (JASO) が定めたエンジンオイルの規格で、M(オートバイ用)とMA(オートバイ用高性能油)の2つがあります。MAは、ウェットクラッチと相性が良く、高性能エンジンに適しています。

ACEA規格

欧州自動車工業会 (ACEA) が定めたエンジンオイルの規格で、A/B(ガソリン車用)、C/D/E(ディーゼル車用)の3つがあります。規格は、A/BからC/D/Eの順にアルファベットが進み、最新の規格は「C5」や「E6」などです。

これらの規格は、エンジンオイルの性能を表すものであり、車両メーカーが推奨する規格に合致するオイルを選ぶことが重要です。また、規格外のオイルを使用する場合は、エンジンの保証が失われる場合があるため、注意が必要です。

価格帯による選び方

エンジンオイルの価格帯には、安価なものから高価なものまで様々な種類があります。価格帯によってオイルの品質や性能も異なるため、適切な選び方をすることが大切です。

安価なエンジンオイル

安価なエンジンオイルは、多くがミネラルオイルや半合成オイルで作られています。ただし、オイルの性能が低いため、交換の頻度が高くなります。

標準的なエンジンオイル

標準的なエンジンオイルは、半合成オイルや全合成オイルが多く、オイルの性能も高いです。価格帯も中程度で、一般的な車種に適しています。

高性能なエンジンオイル

高性能なエンジンオイルは、全合成オイルで作られており、高温状態での性能やエンジン内部の汚れの洗浄能力が高いです。ただし、価格帯が高くなるため、一般的な車種には必要以上の性能を持っている場合があります。

価格帯によって適したエンジンオイルが異なるため、自分の車種や使用環境に合わせた価格帯のエンジンオイルを選ぶことが重要です。また、価格帯が高いからといって必ずしも高性能とは限らないため、オイルの性能を確認することも重要です。

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エンジンオイルの交換時期と頻度

エンジンオイルの寿命とは?

エンジンオイルの寿命は、使用環境や車両の種類、走行距離などによって異なります。一般的には、エンジンオイルが劣化すると、潤滑性能や洗浄力が低下し、エンジン内部に不純物が蓄積され、エンジンの性能低下や故障の原因となる可能性があります。以下に、エンジンオイルの寿命について詳しく説明します。

走行距離による寿命

エンジンオイルの寿命は、走行距離によって大きく影響されます。一般的には、3,000キロメートルから10,000キロメートル程度が交換目安とされています。

使用環境による寿命

エンジンオイルの寿命は、使用環境によっても影響を受けます。例えば、高温多湿な地域や、山間部などの走行条件が厳しい場合は、オイルの劣化が早く進むため、交換の頻度を短くする必要があります。

車種による寿命

車種によってもエンジンオイルの寿命は異なります。高性能なスポーツカーなどでは、エンジンの回転数が高いため、エンジンオイルの消耗が早く進む場合があります。

エンジンオイルの寿命は、走行距離や使用環境、車種によって異なりますが、一般的には3,000キロメートルから10,000キロメートル程度が交換目安とされています。ただし、走行環境によっては、交換の頻度を短くする必要がある場合もあります。

また、エンジンオイルの交換時期を確認することは、エンジンの長寿命化やトラブルの予防につながります。

エンジンオイルの交換時期の目安

エンジンオイルの交換時期は、車種や使用環境、走行距離などによって異なります。一般的には、3,000キロメートルから10,000キロメートル程度が交換目安とされています。ただし、最近の車はエンジンオイルの交換間隔が長くなってきており、自動車メーカーによっては、1年または走行距離1万キロメートル程度という指示もあります。

また、エンジンオイルの交換時期は、車両の使用状況に応じて短くする必要があります。以下は、エンジンオイルの交換時期の目安です。

オイル交換ランプや警告灯が点灯した場合

最近の車には、エンジンオイル交換のタイミングを知らせるランプや警告灯が装備されています。これらのランプや警告灯が点灯した場合は、すみやかにエンジンオイルを交換する必要があります。

走行距離による交換時期

一般的には、3,000キロメートルから10,000キロメートル程度が交換目安とされています。ただし、走行環境によっては、交換の頻度を短くする必要がある場合もあります。

使用環境による交換時期

高温多湿な地域や、山間部などの走行条件が厳しい場合は、エンジンオイルの劣化が早く進むため、交換の頻度を短くする必要があります。

車種による交換時期

車種によっては、エンジンの回転数が高いため、エンジンオイルの消耗が早く進む場合があります。高性能なスポーツカーなどは、エンジンオイルの交換頻度を短くする必要があります。

エンジンオイルは、エンジン内部を潤滑し、清浄に保つために欠かせないものです。交換時期を守ることで、エンジンの長寿命化やトラブルの予防につながります。

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エンジンオイル交換の方法と注意点

自分でできるエンジンオイル交換の手順

自分でできるエンジンオイル交換の手順は以下の通りです。

  1. エンジンを冷やす:エンジンが熱いうちにオイルを抜くと火傷の危険性があるため、エンジンを冷やしてから作業を開始します。
  2. 車をリフトアップする:車をリフトアップし、オイルパンの下に空間を作ります。また、リフトアップする場合は、リフトの使用方法を確認してから操作してください。
  3. オイルパンのドレンボルトを外す:オイルパンの下にあるドレンボルトを外し、古いオイルを完全に抜きます。オイルパンに取り付けられたドレンボルトを外すときは、ドレンパンなどで古いオイルを集める準備をしておきましょう。
  4. オイルフィルターを外す:オイルフィルターを外し、新しいオイルフィルターに取り替えます。フィルターを外すときは、古いオイルがこぼれる可能性があるので注意してください。
  5. 新しいオイルを入れる:新しいエンジンオイルを注ぎます。車のオーナーズマニュアルに記載されている推奨容量を超えないように注意してください。
  6. オイルレベルの確認:新しいオイルを入れたら、オイルレベルを確認して調整します。車のメーターからオイルレベルを確認することができます。
  7. 車を下ろす:作業が完了したら、車をリフトから下ろします。

エンジンオイル交換は、正しい手順を守って行うことが重要です。また、エンジンオイルの交換頻度については、車種や走行距離などによって異なるため、車のオーナーズマニュアルを確認し、適切な交換頻度を守るようにしてください。

専門店でのエンジンオイル交換のメリット

専門店でのエンジンオイル交換のメリットは以下の通りです。

  1. 高品質なオイルを使用:専門店では、高品質なエンジンオイルを使用しています。また、車種や走行距離に合わせて、適切なオイルを選定してくれます。
  2. 正確な交換タイミングの判断:専門店では、エンジンオイル交換のタイミングを正確に判断してくれます。また、オイル交換以外にも、エンジンや車の異常を早期に発見できるため、安心して車を預けることができます。
  3. 経験豊富なスタッフによる作業:専門店では、経験豊富なスタッフが作業を行っています。正確な作業を行い、車にダメージを与えることなく、確実にエンジンオイルを交換してくれます。
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エンジンオイルの劣化や異常について

エンジンオイルが劣化した場合のサイン

エンジンオイルが劣化すると、以下のようなサインが現れることがあります。

  1. オイルの色が黒っぽくなる:新しいエンジンオイルは透明な黄色であることが一般的ですが、劣化すると黒っぽくなっていきます。この色は、エンジン内部で生じた汚れやカーボンがオイル中に混ざっているためです。
  2. エンジン音が異常に大きくなる:エンジンオイルは、エンジン内部の部品同士が摩擦を生じることを防ぐ役割を持っています。オイルが劣化すると、この潤滑効果が低下するため、エンジン内部の部品同士が擦り合わさる音が大きくなります。
  3. エンジンの加速が悪くなる:エンジンオイルが劣化すると、エンジン内部の部品の動きがスムーズに行われず、エンジンの加速が悪くなることがあります。
  4. 燃費が悪くなる:劣化したエンジンオイルは、潤滑効果が低下するため、エンジンの負荷が増えます。これにより、燃費が悪くなることがあります。
  5. オイル圧力が低下する:劣化したエンジンオイルは、粘度が低下するため、エンジン内部の部品に正しく潤滑することができず、オイル圧力が低下することがあります。

エンジンオイルが異常になった場合の対処法

エンジンオイルが異常になった場合には、以下のような対処法が考えられます。

  1. エンジンオイルの交換:エンジンオイルが劣化している場合には、新しいオイルに交換することが必要です。オイル交換は、自分で行うこともできますが、正確な作業が必要なため、専門店で行うことをおすすめします。
  2. オイル添加剤の使用:オイル添加剤は、エンジンオイルに添加して使用することで、潤滑効果を高めたり、汚れを落とすことができます。しかし、オイル添加剤はあくまで補助的なものであり、根本的な解決にはなりません。
  3. エンジンの点検:エンジンオイルが異常になっている場合、エンジン内部に問題がある可能性もあります。そのため、エンジンの点検を行うことが必要です。エンジン内部に異常がある場合は、専門店で修理することをおすすめします。
  4. 運転方法の見直し:エンジンオイルの劣化は、運転方法によっても引き起こされます。エンジンオイルの寿命を延ばすためには、運転方法を見直すことも大切です。具体的には、エンジンの温度が上がる前に運転を始めたり、過剰な負荷をかけないようにすることが挙げられます。
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