EVのデメリットは①バッテリ劣化による下取り価格低下と②エアコン使用時の航続距離低下!

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電気自動車(EV)には致命的なデメリットがある

エコカーブームを背景に電気自動車に人気が出ている

現在、エコカーブームに伴って、電気自動車(EV)が人気を集めています。

しかし、購入にはかなり慎重になるべきです!

電気自動車は静粛性が高い・ガソリンに比べて電気代が安いというメリットばかりではなく、デメリットも存在しているので、メリット・デメリットを天秤に掛けて考えましょう!

この記事を読んで得られること

この記事を読むことによって、電気自動車の重要なデメリットが理解できるようになり、より慎重に購入を検討できるようになります

私は現役の自動車開発エンジニアです

私は、現在自動車メーカーで開発エンジニアとして働いています。

電気自動車や水素自動車の開発にも実際に携わった経験があり、今回の記事では電気自動車の思わぬお落とし穴について解説をしていきます。

今回は、開発者の立場から電気自動車のデメリットを3つご紹介します。いずれのデメリットも重要なものばかりですので、ぜひ購入の際の参考にしてください!

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EVのデメリット①:バッテリ劣化によるリセールバリューの低下

エンジン車よりも電気自動車の方がリセールバリューの低下が早い

電気自動車は従来のエンジン自動車に比べて下取り価格(リセールバリュー)も低下しやすい傾向にあります。

これはバッテリの経年劣化によるものです。

ただでさえ、エンジン車よりも航続距離に不安のある電気自動車ですが、バッテリが劣化してしまえばその価値は一気に低下していきます。

そのため、電気自動車を売って次の車に買い換えるときに非常に安い値段でしか買い取ってもらえない懸念があるので注意をしてください。

バッテリの経年劣化で年々航続距離も低下していく

バッテリが劣化していくということは、1回の充電で走行できる距離も年々減っていくということです。

これはユーザーにとって非常に重要なデメリットです。

電気自動車に搭載されているバッテリは高温状態や低温状態に曝されると、内部の電解質が劣化していきます

バッテリが劣化していくとバッテリ電圧がどんどん低下していきます。電圧が低下するとオームの法則からわかるように、同じ負荷がバッテリに掛かったとしても持ち出される電流が増加してしまいます。$$I=\frac{P}{V}$$ここで、\(I\)はバッテリ放電電流、\(V\)はバッテリ電圧、\(P\)はバッテリ負荷です。バッテリ負荷が一定と仮定すれば、バッテリ電圧が低下すればするほどバッテリから放電される電流が増えていきます。

つまり、バッテリ電圧が低下すると航続距離が低下するということです。

メーカーのカタログには1回の充電で〇〇km走行可能のように表示されていますが、あれは新品のバッテリを前提をとしています。

したがって、そのバッテリが劣化してしまえばカタログ通りの航続距離はもちろん出ませんし、さらにバッテリがどのくらいで劣化するかは消費者側は絶対わかりません

以上のように、電気自動車を購入する際にはカタログに記載されている航続距離は参考になりません。年々航続距離は落ちていくものだと思っておいてください。

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EVのデメリット②:エアコン使用時に航続距離が極端に低下する(特に暖房)

従来のエンジン車でもエアコンを付けると燃費が低下しましたが、特に暖房使用時のときは電気自動車の航続距離は極端に低下します

エンジン車ではエンジンから捨てている熱を暖房に再利用するため、暖房時の燃費悪化は限定的ですが、電気自動車の場合はエンジンのような熱源がないためバッテリに溜められたエネルギーを暖房用の熱源に変える必要があるからです。

そのため、電気自動車の航続距離は暖房使用時に最大で50%程度低下してしまうこともあるのです。

特に、寒冷地に住まれている方で暖房の使用頻度が高い人は特に注意が必要です。見る見るうちに航続距離が減っていき、落ち着いて運転できないかもしれません。

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おまけ:急速充電器を利用しても急速充電されないケースがある

最近では、高速道路のサービスエリアなどで急速充電に対応して充電器も増えてきています。

しかし、これも注意が必要です。急速充電器を使ったからといって必ずしも急速充電ができるとは限らないのです。

これは自動車側に問題によるものです。

急速充電に対応している車種が少ない

例えば、車側が急速充電に対応していない車種であれば普通充電と同じスピードで充電が行われるため、結局満充電になるまで長い時間待機しなければなりません。

対応車種でも制御によって急速充電を許可しないケースがある

また、急速充電に対応して車種でもバッテリの状態によっては急速充電を許可させない制御が働くため普通充電になってしまうケースもあるのです。急速充電は高条件が揃った限られたシーンでしかできないと思っておいてほうがいいです。

したがって、近年急速充電器が普及し、充電待ち時間のストレス緩和につなげようという動きはありますが、毎回急速充電できる保証はありません。そのため、遠出されるときには定期的にサービスエリアなどで充電によるタイムロスが発生することを念頭に置いてください。

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デメリットを緩和するための自動車メーカーの対策

バッテリを冷却・暖機して劣化しにくい温度にコントロール

1つ目のデメリットに対する対策は、バッテリを冷却または暖機して最も劣化しにくい温度に常にコントロールすることです。

バッテリの冷却には、①空冷、②水冷、③冷媒冷却の3種類の方式があり、各自動車メーカーが選定をしています。

また、テスラはこのバッテリ冷却技術が他社よりも進んでおり、テスラのEVは年数が経ってもバッテリが劣化しにくいことで有名です。

暖房にPTCヒーターではなくヒートポンプサイクルを採用

2つ目のデメリットに対する対策は、暖房にヒートポンプサイクルを採用することです。

これまでのEVでは暖房にPTCヒーターが用いられてきました。PTCヒーターは始動後すぐに昇温できるというメリットがある一方、成績係数(COP)が低いため消費電力が大きいというデメリットがありました。

そこで、最近ではPTCヒーターではなく、ヒートポンプサイクルが採用される傾向があります。ヒートポンプサイクルではCOPが1以上になるので、消費電力を抑えた暖房が可能になるのです。

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まとめ

電気自動車にはまだまだ課題が多い

自動車メーカー各社がどんどん電気自動車のラインナップを増やしてきていますが、正直まだまだ克服すべき課題はたくさんあります

今回は、自動車開発エンジニアの視点で皆さんに理解しておいてほしい3つのデメリットをご紹介しました。まとめると以下のようになります。

  1. バッテリの経年劣化で年々航続距離が低下していく
  2. エアコンを付けると航続距離が極端に低下する(特に暖房)
  3. 急速充電器を利用しても急速充電されないケースがある
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コメント

  1. Semiry より:

    こんにちは。九州福岡からです。

    「電気自動車の重要なデメリット3選」については、その通りだと思いました。

    自分はBEVは近場乗りが「適」だと思っています。(自分の人生内、という意味での考えになります。)
    →ミニキャブミーブの東芝製「SCiB」利用のBEVを現在利用中ですが、電池の劣化は今年10年目になる車両ですが、ほぼ無し、といった状態です。
     家内は、タケオカ自動車工芸を通して中国から取り寄せしたBEV(一人乗り仕様変更、ミニカー登録)を利用中です。(エアコンばっちり効きます。)

    ミニキャブ・ミーブには邪道かもしれませんが、「ffヒーター(冬場暖房)とスポットエアコン(夏場冷房補助、キャンパー用)」にて走行距離の影響がないようしています。

    ◎自主免許返納迄もう車の買い換える事なく、私はミニキャブ・ミーブで過ごすつもりでいます。

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