【自動車工学】ガソリンエンジンの仕組み(4つの行程)

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自動車工学
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自動車用ガソリンエンジンの吸気→圧縮→膨張→排気という4つの行程について解説をします。まずは、難しい数式はなるべく使わず簡単に説明していきます。

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エンジンの機能

まずはエンジンとはどのような機能を持った部品なのかを簡単に説明します。エンジンとは熱エネルギーを運動エネルギーに変換する機能を持っています。エンジンを日本語訳すると「機関」となります。世界で最初の機関は産業革命時代にイギリスで発明された蒸気機関が有名ですよね。これは水蒸気の熱を運動エネルギーに変換して機関車を走らせていました。

ガソリンエンジンもこれと同様に、ガソリンと酸素を燃焼させることで発生した熱エネルギーを(回転)運動エネルギーに変換してます。この運動エネルギーをトランスミッション→デファレンシャルギア→タイヤと伝達させていき、回転運動エネルギーから並進運動エネルギーにさらに変換することにより、自動車は前後に進むことができます。

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ガソリンエンジンの4つの行程

自動車用ガソリンエンジンは吸気→圧縮→膨張→排気という4つの行程を繰り返し行うことによって、運動エネルギーを生み出します。ここからはそれらの4つの行程の詳細について説明します。

吸気行程

吸気行程の目的はエンジンが吸気バルブを通して、フレッシュな空気をシリンダー内に導入することです。

図1:吸気行程

図1は吸気行程中のエンジンの動きを示しています。吸気行程では吸気バルブを開けることによって、大気からシリンダー内に空気を吸入し、インジェクタから吹かれたガソリンと混合気を作ります。エンジンはガソリンと酸素との化学反応から熱エネルギーを生み出すので、常にフレッシュな空気を吸い続けないとガソリンとの化学反応を連続的に起こすことができないのです。

シリンダーは吸気バルブの上流圧力とシリンダー内圧の圧力差を利用して空気を吸入します。自然吸気エンジンであれば吸気バルブの上流圧力は大気圧なので固定されています。したがって、シリンダーが負圧(大気圧よりも低い圧力)になることにより、圧力差を生み出し吸入します。

圧縮行程

吸気行程でガソリンと空気の混合気を形成した後は、吸気バルブと排気バルブの両方が閉じられます。その後、ピストンが上昇して混合気が圧縮されていきます。気体を圧縮する目的は気体の温度を上昇させることにより、高圧・高温のガスになり燃焼しやすい状態にするためです。

図2:圧縮工程

圧縮行程は過去の記事で解説したポリトロープ圧縮になります。完全な断熱圧縮にはならず、断熱圧縮と等温圧縮の中間的な熱力学過程を取ります。これは圧縮中にシリンダー内の熱がピストンやシリンダーの側面を伝って逃げていくためです。この損失のことを冷却損失と呼びます。この冷却損失を如何に低減させられるかがエンジンの熱効率を高める鍵になります。

膨張行程

ピストンが上死点付近まで上昇したタイミングで点火プラグで着火され、混合気の燃焼が始まります。ガソリンは\(\mathrm{C_{8}H_{16}}\)なので$$\mathrm{2C_{8}H_{16}+25O_{2}\rightarrow 16CO_{2}+18H_{2}O}$$という化学反応が起こります。燃焼が始まるとシリンダーの内圧は一気に上昇し、そのエネルギーによってピストンは下に押し下げられます。エンジンの4つの行程の中で、エネルギー(トルク)を生み出すのはこの膨張行程のみです。

圧縮工程で説明した冷却損失は、この膨張行程中が最も大きくなります。それは混合気の燃焼によってシリンダー内の温度が非常に高温になり、シリンダーの内と外との温度差が拡大するからです。

図3:膨張行程

排気行程

膨張行程によってピストンが下死点付近まで下がったタイミングで排気バルブが開きます。再びピストンが上昇を開始させると、燃焼し終わった既燃ガスを排気バルブを通して外に排出させます。排気行程の目的は既燃ガスをシリンダーからしっかり排出させることによって、次の吸気行程でフレッシュな空気をたくさん吸えるようにするためです。

既燃ガスの主な成分は\(\mathrm{CO_2}\)と\(\mathrm{H_{2}O}\)で構成されます。したがって、既燃ガスには\(\mathrm{O_2}\)が含まれず、次のサイクルの燃焼には寄与しないのです。

図4:排気工程

図4は排気行程中のエンジンの動きを示しています。吸気行程と同様に排気されるガスの流量はシリンダー内圧と排気バルブの下流圧力との圧力差で決まります。吸気行程との違いは排気バルブを開いた直後はシリンダー内圧が非常に高いということです。排気バルブを開くことをブローダウンと呼びますが、ブローダウン直後はシリンダー内圧と排気バルブ下流圧力との圧力差が非常に大きく、排気されるガスの流速は音速に達することもあります。

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まとめ

ガソリンエンジンの吸気→圧縮→膨張→排気という4つの行程の基礎について解説をしました。有効な仕事をしているのは膨張行程のみであり、残りの3つの行程は効率よくガソリンを燃焼させるための準備に過ぎないのです。

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