ハイブリッド車の燃費を向上させたい
エンジンとモータの使い分けが重要
ガソリン価格が高騰していることから、少しでも燃費のよいエコドライブを心掛けて給油の頻度を減らしたいですよね?
今回はハイブリッド車における燃費を少しでも向上させるためのテクニックを解説していきます!現在では、国内のハイブリッド車の普及率も高く、ハイブリッド車に乗られている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そのような方々に参考になる記事を用意しました。
この記事を読んで得られること
この記事を読むことによって、ハイブリッド車の仕組みと燃費を向上させるためのテクニックが身に付けられるようになります。
簡単に実践できることばかりなので、積極的に実践して少しでもエコドライブに努めていきましょう!
現役自動車開発エンジニアが解説します
現役の自動車開発エンジニアである私が解説をします。
メインの開発テーマは、電気自動車や水素自動車や機械学習・ディープラーニングを活用したAI技術の開発ですが、ハイブリッド車に関する知識も持っています。


この記事では、難しい単語はなるべく使わないようにして、自動車の構造に詳しくない方にも理解しやすく説明をしていきます。
ハイブリッド車の仕組み
エンジンとモータが両方搭載されている
まず、ハイブリッド車の仕組みから解説していきます。「ハイブリッド」という単語の日本語訳は、「異種のものの混成物」となります。
つまり、ハイブリッド車とはエンジンとモータという異種の2つの動力源が混ざり合った自動車という意味になります。エンジンとモータのどちらでも走行可能な自動車のことですね。
エンジンとモータの使い分けは搭載されているバッテリの残量によって行われているケースが多いです。例えば、バッテリ残量に余裕のあるときはモータを使ったEV走行をし、残量が減ってくるとエンジンを動かしてバッテリを充電しながら走行をしています。
このように、ハイブリッド車はエンジンとモータをケースに応じて上手く使い分けて走っているのです。
ハイブリッド車の特徴はエネルギーを回生できる
ブレーキ制動力でエネルギーを回生
ハイブリッド車が従来のエンジン車と最も異なる特徴は、ブレーキの際にエネルギーを回生して再びバッテリに充電できる点です。
「回生」は「回収」と言い換えても差し支えないでしょう。これまでのエンジン車ではブレーキで発生する熱エネルギーを大気中に捨てるしかありませんでした。
一方、ハイブリッド車はブレーキの制動力をモータに伝えることにより電流を発生させ、その電気エネルギーをバッテリに戻すことができるのです。
このブレーキの制動力を再電気エネルギーに変換してバッテリに戻すことを「回生エネルギー」と呼びます。ハイブリッド車がエンジン車よりも一般的に燃費がいいのは、この回生エネルギーを利用できるからです。
回生エネルギーはフレミングの法則で説明できる
回生エネルギーの仕組みは、中学校の理科で習ったフレミングの左手の法則で説明することができます。
フレミングの左手の法則とは、磁界(人差し指)と電流(中指)に直交する方向に力(親指)が発生するという法則です。言い換えれば、磁界と力に直交する方向に電流が流れます。
ハイブリッド車がモータ走行するときは、バッテリからの電流をモータを流すことによって力を発生させ、その力をタイヤに伝達することにより前進しています。
エネルギー回生するときは、その逆の経路を辿ります。タイヤで発生した制動力をモータまで反対方向に伝達していきます。
すると、モータには磁界と力が掛かるため、フレミングの左手の法則から電流が発生するのです。この電流をバッテリに充電すればエネルギー回生完了です。
ハイブリッド車の燃費向上テクニック3選
ここからは具体的に、ハイブリッド車の燃費向上テクニックについて解説をしていきます。
発進時には積極的にEV走行を活用する
1つ目は、発進時にはエンジンではなくモータを使ったEV走行をすることです。
この理由は、発進時はエンジンの効率が悪くなる一方、モータの効率は高くなるからです。エンジンは低回転領域の効率が低い特性があります。効率が低いということは、つまり燃費が悪くなるということです。
対照的にモータの効率は低回転領域が高くなるので、効率の悪いエンジンを上手く補うようにモータを使うことによって燃費が向上します。
バッテリ残量を見ながらエンジンとモータを使い分ける
2つ目は、バッテリ残量を見ながらエンジンとモータを使い分けることです。
ハイブリッド車であれば運転席のディスプレイ画面にバッテリ残量が出ていると思います。これを見ながら駆動方式を使い分けることで燃費が向上します。
具体的には、バッテリ残量が多いシーンでは積極的にEV走行をしましょう。その理由は、バッテリ残量が多いとエネルギー回生ができないからです。
せっかくの下り坂や信号でのストップアンドゴーなどの回生ができるチャンスがあっても、バッテリが既に満タンであれば回生はできません。ブレーキ回生をするためには、バッテリ残量を適度に減らしておく必要があるのです。
停車時には早めのアクセルオフでエネルギー回生の時間を長く取る
3つ目は、停車時には早めのアクセルオフでエネルギー回生の時間を長く取ることです。
アクセルから足を離すことによって、クルマはこれから停車するんだなと判断ができるようになり、エネルギー回生が始まります。
先の信号が既に赤色になっているときは、早めにアクセルから足を話してエネルギー回生の時間を長く取りましょう。これにより、ブレーキによるエネルギーロスを極限まで減らすことができるようになります。
下り坂を走行しているときも同様に、なるべく早めにアクセルオフしてエネルギーを回生しながら走りましょう。
まとめ
今回は、ハイブリッド車の仕組みと燃費向上テクニックについて解説をしました。結論を以下のリストにまとめると
- ハイブリッド車はエンジンとモータを両方搭載した自動車
- ハイブリッド車が従来のエンジン車と異なる特徴は、エネルギー回生ができる点
- 燃費向上テクニック①:発進時には積極的にEV走行を活用する
- 燃費向上テクニック②:バッテリ残量を見ながらエンジンとモータを使い分ける
- 燃費向上テクニック③:停車時には早めのアクセルオフでエネルギー回生の時間を長く取る
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