【MBD事例】モデルベース開発で活用するモデルは4つに分類できる!

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MBDにおけるモデルの種類

MBDにはどんな種類のモデルがあるのかを紹介します。結論から言うと、MBDのモデルは大きく①コントローラ(制御)モデルと②プラント(制御対象)モデルの2種類に分けることができます。さらに、コントローラモデルとプラントモデルの中で③統計(ブラックボックス)モデルと④物理(ホワイトボックス)モデルに分けられます。つまり、MBDのモデルは4種類に大別することができます。

  • MBDのモデルには①コントローラ/統計モデル、②コントローラ/物理モデル、③プラント/統計モデル、④プラント/物理モデルの4種類に大別される

コントローラモデル・プラントモデルの違い

まず、コントローラモデルとプラントモデルの違いから説明します。コントローラモデルは制御モデル、プラントモデルは制御対象モデルと言い換えることができます。つまり、制御する側のモデルと制御される側のモデルという関係性です。

エンジンを例に考えてみましょう。エンジン(プラント)単体では動くことができず、エンジンECU(コントローラ)とセットになって初めて動くことができます。エンジンECUが適切な点火時期や燃料噴射量を指示し、エンジン本体はその指示に従って動いているに過ぎないのです。

エンジンに限らず、自動車はコントローラとプラントが複雑に相互作用しています。電気自動車であっても同様に、コントローラがモータの回転数を指示し、モータがその指示値に一致するように動いています。

したがって、MBDで自動車開発を進めていくためにはコントローラとプラントの両方をモデル化し、それらの相互作用を見られるようにすることが非常に重要なポイントになります。

  • コントローラモデルは制御するモデル、プラントモデルは制御されるモデル
  • MBDではコントローラモデルとプラントモデルの両方をモデル化していくことが重要

統計モデル・物理モデルの具体例を解説

次に、統計モデルと物理モデルの違いについて説明します。

統計モデル

統計モデルとはその字の如く得られたデータを統計的に処理して作られたモデルのことです。統計モデルの最も重要な特徴は得られたデータの範囲内でモデル化しているという点です。言い換えれば、統計モデルはデータの範囲外の精度は保証できないということになります。例えば、コンパクトカーを走らせて計測したデータはそのコンパクトカーの開発には適用できますが、大きなSUVには適用できませんよね。その理由はコンパクトカーとSUVで車重やタイヤ半径などのモデルの前提条件が変わってしまっているからです。

しかし、メリットももちろんあります。メリットはその範囲内で使用するのであれば非常に精度の高いモデルになるという点です。実際に得られたデータをそのままモデル化するので、データ通りの結果からモデルから得ることができます。

以下では、メジャーな統計モデル化手法を紹介します。

線形回帰分析

最もポピュラーな統計モデルとして、線形回帰分析が挙げられます。$$y=ax+b$$\(y\)は目的変数、\(x\)は説明変数と呼ばれ、\(x\)で\(y\)を線形特性で説明するということになります。

重回帰分析

次に、線形回帰分析の応用として重回帰分析があります。線形回帰分析では説明変数が1つだけでしたが、重回帰分析では複数の説明変数で1つの目的変数を説明することが可能になります。$$y=ax_1+bx_2+c$$この式では、\(x_1\)と\(x_2\)の2つの説明変数で目的変数\(y\)を説明しています。例えば、エンジンの燃料消費量という目的変数をエンジン回転数とエンジントルクの2つの説明変数で説明するイメージです。

AI(機械学習・ディープラーニング)

近年、注目を浴びているのがこの機械学習やディープラーニングなどのAIを使った統計モデルです。線形回帰分析や重回帰分析が人間がデータを分析してモデル化するのに対して、機械学習やディープラーニングは機械(PC)が対象のデータの特徴量を抽出し、モデル化します。

物理モデル

物理モデルとはある物理法則に従うように作られたモデルのことです。例えば、運動方程式\(ma=F\)やオームの法則\(V=RI\)などは誰もが一度は聞いたことがある有名な物理法則です。他にも多くの物理法則が存在し、それらに則って作られたモデルはすべて物理モデルと呼ばれます。

物理モデルの特徴は統計モデルとは反対でモデル化できている範囲内であれば任意のパラメータ変更に対応できるという点です。車重やタイヤ半径を物理モデルの中に織り込んでおけば、それらのパラメータを変更するだけでコンパクトカーからSUVまでを1つのモデルで検討することができます。つまり、物理モデルは統計モデルよりも汎用性の高いモデルになり得るということです。ここで、「なり得る」という表現に留めているのは、汎用性の高い物理モデルを作ることは非常に難しいからです。

また、物理モデルは様々な領域で構成されています。一般的に、その領域は力学、熱、流体、電気という4種類が存在しています。それぞれの領域の物理モデル化については、別の記事で詳細にご説明しようと思っているので、ここでは簡単な紹介に留めます。

まとめ

今回は、MBDで使われるモデルの種類とその特徴について簡単に紹介しました。最後に要点を以下にまとめます。

  • MBDには①コントローラ/統計、②コントローラ/物理、③プラント/統計、④プラント/物理の4種類ある
  • コントローラモデルは制御する側のモデル、プラントモデルは制御される側のモデル
  • 統計モデルは取得データの前提条件内での精度は高いが、前提から外れた場合は適用不可
  • 物理モデルは作ることが難しいが、統計モデルより汎用性の高いモデルになり得る
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