【自動車工学】トランスミッションの仕組みとモデルベース開発(MBD)への応用

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自動車工学
Gears of automatic transmission in section
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自動車部品の中で動力伝達機能を担っているトランスミッション(変速機)の仕組みを説明し、次にトランスミッションをモデルベース開発(MBD)に応用します。

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トランスミッションの種類

トランスミッションには大きくAT、MT、CVTの3種類に分類されます。以下で、それぞれの特徴について簡単に説明します。

AT(オートマチックトランスミッション)

ATはエンジン回転数に応じて自動で変速してくれるトランスミッションのことを指します。ATの中には歯車が組み合わされていて、複数の変速を実現します。6速ATであれば1速から6速までの6種類のギア比が用意されています。現在は8速ATも普及してきており、トランスミッションの多段化がトレンドになっています。

MT(マニュアルトランスミッション)

MTはドライバーが変速操作を行うタイプのトランスミッションになります。MTは車好きの方に好まれる傾向があり、現在でもスポーツカーにはMT仕様が設定されているケースが多いです。

CVT(無段変速トランスミッション)

CVTはATと同様に自動で変速するトランスミッションですが、ATのような歯車が組み合わされた構造ではなくプーリーとベルトを使って連続的に変速を行うタイプのトランスミッションです。ATやMTのようにギア比が段になっていないので、変速ショックがないというメリットがある一方で、ベルトの滑りがあるため応答性が悪いというデメリットがあります

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トランスミッションの役割

まずはトランスミッションの役割から説明します。トランスミッションの役割はエンジンやモータで生み出されたトルクをタイヤまで伝達させることです。そのときに単純に伝達しているわけではなく、ギア比と呼ばれるパラメータに応じてトルクと回転数の関係を変化させながらトルク伝達をしていきます。

伝達ロスなしの場合

簡単のため、伝達ロスはなしと仮定をしましょう。ギア比を\(n\)とすると、トランスミッションの出力トルクは入力トルクの\(n\)倍に増幅します。その一方、出力回転数は入力回転数の\(1/n\)倍に減少します。これは伝達前後でエネルギー保存則が成り立つためです。回転体の動力仕事\(P[\mathrm{kW}]\)は$$P=\frac{2\pi\cdot T\cdot n}{60}$$で求められます。\(T[\mathrm{N\cdot m}]\)はトルク、\(N[\mathrm{rpm}]\)は回転数です。エネルギーは保存されるので、$$P_1=P_2$$つまり$$T_1\cdot N_1=T_2\cdot N_2$$が成り立ちます。ここで、\(T_1,N_1\)はトランスミッション入力トルクと回転数、\(T_2,N_2\)はトランスミッション出力トルクと回転数です。ギア比\(n\)によって$$T_2=n\cdot T_1$$にトルク増幅されると$$T_1\cdot N_1=n\cdot T_1\cdot N_2$$$$N_2=\frac{1}{n}N_1$$となり、回転数は\(1/n\)倍になります。

伝達ロスありの場合

次は、伝達ロスありの場合を考えてみます。実際のトランスミッションではトルク伝達の際に機械同士の摩擦などのよって伝達ロスが生じますこの伝達ロスは発熱量として計上されます。ここで、伝達効率を\(\xi\)、伝達ロスによる発熱量を\(Q\)とすると、$$\tau_1\cdot N_1=\tau_2\cdot N_2+Q$$$$\tau_2\cdot N_2=\xi\cdot\tau_1\cdot N_1$$$$Q=(1-\xi)\cdot\tau_1\cdot N_1$$となります。

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モデルベース開発(MBD)への応用

伝達ロスによって生じた発熱量についてもう少し踏み込んでみましょう。ここで、この発熱量はトランスミッションの中を循環しているATFオイルに入熱するとします。ATFオイルの熱容量を\(C[\mathrm{J/K}]\)、初期温度を\(T_{ini}[\mathrm{K}]\)とすると、ATFオイルの温度\(T[\mathrm{K}]\)は$$T=\int \frac{Q}{C}dt+T_{ini}$$と計算することができます。

このように、モデルベース開発(MBD)では力学領域と熱領域のように複数の領域を組み合わせてモデリングをすることができます。また、自動車全体をモデリングする場合は複数の領域を跨ぐことは必要不可欠であり、異なる領域間を受け渡しするときはすべての領域で共通している仕事率\([\mathrm{W}]\)を用いるのです。

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