ダイキン・パナソニック・コロナ・ハイセンスから換気機能付きエアコン
換気機能付きエアコンとは
現在、ダイキン、パナソニック、コロナ、ハイセンスから換気機能付きエアコンが発売されています。
まず、換気機能付きエアコンとはどのような機能を持ったエアコンのことなのでしょうか?それは名前の通り、自動で部屋の空気を換気してくれるエアコンということです。
これまでのエアコンには換気機能は備わっていません。したがって、部屋の中を空気を冷房・除湿・暖房するだけで、空気自体は入れ替わっていないんですね。一方、換気機能付きエアコンはこれまでの冷房・除湿・暖房の基本機能に加えて、外の空気を部屋の中に取り入れるという機能がアドオンされた形です。
つまり、家庭用エアコンがカーエアコンに少し近づいたようなイメージを持ってもらうとわかりやすいかと思います。カーエアコンでは、スイッチで内気循環と外気導入を切り替えられますよね?あの機能が付いたと思ってください。
私個人の意見としては、換気機能付きエアコンは不要だと考えています。その理由は、メリットよりもデメリットのほうが大きいと感じるからです。今回は、その詳細について以下で解説していきます。
この記事を読んで得られること
この記事を読むことによって、換気機能付きエアコンのメリットとデメリットを理解できるようになります。
今、エアコンの買い替えで悩まれている方は購入の参考になると嬉しいです。
換気機能付きエアコンのデメリット
換気損失が増えて電気代が上がる
換気機能付きエアコンの最大のデメリットは、換気損失が増加することによる電気代の高騰です。換気損失とは、換気によって空調した空気が外に逃げてしまうことによる損失です。実は、この換気損失は空調の損失の約60%を占める非常に大きな損失となっています。
ちなみに、残りの40%は伝熱損失と呼ばれ、空調した空気が窓ガラスなどから熱伝導によって外に逃げる損失となっています。
このデメリットは、ユーザーの購買意欲に大きくインパクトを与えるため、店頭などで説明を受けることは少ないのではないでしょうか?
換気によって外の空気を部屋の中に入れるということは、部屋の中は外に捨てなければなりません。つまり、せっかく電気エネルギーを使って冷房・除湿・暖房をした快適な空気を排気しているのです。
従来のエアコンの場合、室内機で冷やした空気は再び室内機で冷房されるため、室内機に流入する空気の温度は徐々に下がっていきます。一方、換気機能付きエアコンで換気している場合、室内機に流入する空気は外気です。外気温度が35℃であれば、室内機は常に35℃の空気を冷房せざるを得なくなります。
これはエアコンの電気代に非常に大きな影響を与えます。室内機に流入する空気の温度が高ければ高いほど、主要部品であるコンプレッサには高い負荷が掛かって電気代を高騰させます。

機能追加による本体価格と故障リスクの上昇
2つ目のデメリットは、機能追加による本体価格の上昇です。
ダイキンもパナソニックも室外機から外気を導入することによって換気を実現させていますが、そのためにはたくさんの部品が必要になります。
例えば、外気を導入するための給気ファン、取り込んだ外気を室内機まで送るためのホース、内気循環と外気導入を切り替えるための弁などがあります。
当然、部品点数が増えれば本体価格に転嫁されます。したがって、換気機能付きエアコンの価格は必然的に高くなってしまうのです。
さらに、部品点数が増えて内部構造が複雑になればなるほど、故障リスクも上昇します。特に、室内機の空気切替弁などは故障しやすい部品なので、故障リスクが上昇する懸念があります。
換気はエアコンを使わずとも簡単にできる
定期的に窓を開けるだけ換気できる
換気はエアコンを使わなくても簡単にできます。
例えば、定期的に窓を開けるだけで部屋の空気は換気されて少しずつ入れ替わっていきます。さらに、2ヶ所以上の窓を開ければ、より換気は促進されます。
このように換気は少しの手間で簡単にできてしまいます。このためだけに、通常よりも値段の高い換気機能付きエアコンを買うメリットはありません。
エアコンは冷暖房機能だけを持たせるべき
この機能をわざわざエアコン側に持たせる必要はないというのが私の見解です。こんな簡単にできることであれば、換気は人がする、冷房・除湿・暖房はエアコンがするというように役割を明確に分ける方がいいと思います。
そうすることによって、最低限の換気で電気代の節約、最低限の機能で本体価格と故障リスクの低減が両立できると考えます。
まとめ
今回は、ダイキン、パナソニック、コロナ、ハイセンスから発売されている換気機能付きエアコンに関する、私の見解について述べさせていただきました。
個人的な見解は、換気機能付きエアコンは不要だと考えています。そのデメリットを以下にまとめます。
- 換気損失が増えて電気代が上がる
- 機能追加による本体価格と故障リスクの上昇
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